

モレリアマスターのシューズ選びは、まずお客様の好みや実際のプレイスタイルなどをコミュニケーションによって聞き出すことから始まります。ただ、聞き出すといっても決して専門的で難しい話をするわけではありません。「ポジションはどこ?」「どんな感じのプレイがしたい?」という至って日常会話的なもの。むしろ質問より「へえ、本田選手のファンなんだ」などと、サッカー談義で盛り上がっている姿の方が印象に残りました。
今日ご来店されたお客様は、その本田圭佑選手が使用するモデル「イグニタス」をしきりに気にされていたようですが、モレリアマスターは「それよりも…」と、どうやら別タイプのシューズをおすすめしている様子。モレリアマスターいわく「お客様と私の意見が合わないことも当然ありますよ。ただ、お客様の要望だけを聞いていてもダメですし、私の意見だけを押し通すこともダメですし。お互いが納得できるシューズを選ぶために、まず最初にしっかりお話をして、いくつかのシューズ候補を試していただくことがやはり大切ですね」。

シューズの候補が決まれば、本来はまずそれぞれのシューズの試し履きをしていただくのですが、お客様によると「自分の足の大きさは左右でかなり違うので、どのサイズのシューズが良いのかいつも悩んでいる」らしく、今回は念のためにお客様の足のサイズを改めて測定してみるとのこと。実際サイズを測ってみたところ左足と右足で0.5cm程度の違いがありましたが、「後ほどインソールもフィッティングして微調整してみましょう!」というモレリアマスターの説明にお客様も安心されていました。
また足の測定中、モレリアマスターはお客様の足幅や甲の高さなどもしっかりチェック。「足の長さだけではどのシューズがフィットするか、なかなか判断できません。シューズによって、それぞれ作りが違いますからね。お客様の場合、足が若干細めのようですので、足型的におそらくモレリアがいちばんフィットするんじゃないかな…という気がします」。

サイズの測定後は、選ばれたシューズ候補の試し履きです。モレリアマスターが選択したのは、お客様が最初から気にしていたイグニタスを含む3タイプのシューズ。それぞれ紐を結び終えたのち、つま先部分に余裕がありすぎないかなど、手で触りながら入念なチェックを繰り返していました。
また、お客様がシューズの履き心地を確認している間、モレリアマスターは「いま使っているシューズをお持ちなら見せてくれませんか?」と、現在お手持ちのシューズの使用状況も確認。そして「足のこの部分にマメができやすくはないですか?」と尋ねると、お客様は「なぜ分かるんですか?」と少しびっくりした表情です。モレリアマスターによると「シューズをひと目見ただけでも、お客様のプレイスタイルやお使いのシューズが足に合っているかなど、おおよその判断ができます」。結局3つのシューズを履いてみて、お客様が「いちばんしっくりくる」と頷いたのはイグニタスではなく、モレリアマスターの選んだモレリアの方でした。

モレリアをお客様の足にフィットさせるようインソールをチョイスし微調整したのち、最後にモレリアマスターが熱心にアドバイスされていたのが、シューズのお手入れ方法のことです。例えば、シューズを使ったあとはどのようなメンテナンスが必要か、雨の日のあとのケア方法は…などなど。これまであまりシューズのお手入れをしていなかったというお客様も「なるほど」と頷かれ、お手入れキットやシューキーパーをついつい一緒に購入されていました。「お手入れすればシューズが長持ちするのは当然、シューズに対するこだわりも強くなり、おのずとサッカーがレベルアップするんです」とはモレリアマスターの弁。また、シューズ購入後の革の破れやスタッド交換などの修理についても、店内でできるものであれば、モレリアマスター自らがその場で対応してくれるのだそうです。
そして帰り際、しばしサッカー談義を楽しんだあと、お客様がフロアを出られるまで笑顔で見送っていたモレリアマスター。本当にサッカーが大好きで、シューズを熟知する身近なサポーターなんだな…と、つくづく感心させられました。